介護保険外のサービス(神戸と横浜)




★あまりにも少ない神戸の利用実績★




 介護保険を運営しているどこの自治体も、介護保険に定められたサービスだけではなく、住民のため自治体独自の高齢者サービス(いわゆる「横だし・上乗せサービス」)をやっている。国にがんじがらめにされた法定サービスに比べ、財源は大変だが自治体の独自性が生かせる。
 神戸市の場合は「あんしんすこやかプラン」(略称:あんすこプラン)と呼ばれ全部で15事業あるが、そのうち「寝具洗濯乾燥サービス」と「訪問理美容サービス」の各年度実績は次表の通り。



<神戸市>
サービス名内   容対  象  者利用者負担H13H14H15H16
寝具洗濯乾燥サービス在宅で寝たきりの高齢者に寝具の丸洗いや乾燥消毒要介護4,5と認定された人のいる市民税非課税世帯丸洗い・乾燥
:600円/回

乾燥のみ
:300円/回
122人137人140人171人
訪問理美容サービス高齢者の家庭を訪問して理美容を実施要介護4,5と認定された人調髪またはカットのみ
:2,000円/回
449人490人519人572人

※ 人数は支給決定者

※ H15は決算見込み H16は予算



 上記の数字は、04年10月12日ろっこう医療生協と神戸市介護保険課との話し合いの場で明らかにされた数字である。
 これをどう見るか? いろいろな意見があるだろうが、私は天下の大都市・神戸市の実績としてはどの年度もあまりにも少なすぎると思う。
 神戸市は大都市比較(政令都市比較)が好きなので、私はネットで入手できるデータにより横浜市との比較をしてみた。



<寝具乾燥>

自治体名対  象  者利用者負担H13H14H15H16
神戸市要介護4,5と認定された人のいる市民税非課税世帯丸洗い・乾燥
:600円/回

乾燥のみ
:300円/回
122人137人140人171人
横浜市1.おおむね65歳以上で在宅の寝たきり高齢者及び一人暮らし高齢者
2.在宅の身体障害者(児)及び知的障害者(児)で寝たきり状態にある人
4ヶ月に1度(年3回まで)
400円/回
生活保護世帯は無料
調査中調査中延べ1,137件
推計379人
調査中

※ 神戸市人数は支給決定者

※ H15は決算見込み H16は予算

※ 横浜市の利用者数の推計は、年3回の利用限度回数で延べ利用件数を割ったもの


<理美容>

自治体名対  象  者利用者負担H13H14H15H16
神戸市要介護4,5と認定された人調髪またはカットのみ
:2,000円/回
122人449人519人572人
横浜市要介護4,5と認定された人
   (H16年度から対象変更)

※H15年度までは要支援以上を認定された人
カットのみ
:2,000円/回

年6回まで
調査中延べ7,089回
推計1,182人
延べ8,809回
推計1,468人
延べ2,028回
推計338人

※ H15は決算見込み H16は予算

※ 横浜市の利用者数の推計は、年6回の利用限度回数で延べ利用回数を割ったもの



 調査途中のデータで申し訳ないのだが、両市の比較表から分かるのは、どちらのサービスも神戸の方が対象者の条件が厳しく利用者が少ない(理美容は、H16からは条件が悪い方に横浜が横並びしている)。
 要介護4および5の認定を受けている人は神戸市で大体1万人前後、一方横浜市が神戸の約2倍の認定者数となっていることを加味して考えても、神戸の利用者は少ない。
 要は神戸の制度が利用者にとって使いにくい制度であったということだ。