photo− 灘区の記念碑・「生きた証」
大震災からあっという間に15年が過ぎました。亡くなった人たちを悼み設置された震災モニュメント、県内で288カ所、そのうち灘区は22カ所だそうです。 その中から、小さくてつつましいけど、とても思いのこもった碑を一つ紹介します。
(場所は灘区楠丘町1丁目の石屋川公園)
今年(2010年)の1月、毎日新聞にこんな記事が載っていました。
「…神戸市灘区の石屋川公園には、桜の横に『伸也 富子 生きた証』と記した碑がある。震災で長男伸也さん(享年27)と妻富子さん(同25)を亡くした足立悦夫さん、朝子さん夫婦が『生きた証しを』と、2人が暮らしたアパート跡を見渡せる公園に桜を植樹、根元に新婚4カ月で亡くなった2人が寄り添う写真を収めた碑を建てた。春にはモニュメントを巡るウオークの参加者らが花見を開く…」 (毎日新聞1月6日)
震災から15年目の1月17日の朝、記念碑を訪ねてみました。そこには、真新しい花束とともに、亡くなった若夫婦が好きだったのでしょう、ミルクコーヒーとミルクココアが一緒にお供えしてありました。 今年も1月17日、いろいろな追悼行事が数多く行われました。それを少しも否定するつもりはありません。 でも、震災の犠牲者たちが求めるのは追悼だけなのでしょうか。彼らは生き残った私たちに訴え続けているように思えてなりません。忸怩たる思いとともに、「生きている証」を示すように。