<追記1−4> こんなに違う住宅再建の支援策 (台風23号、新潟県中越地震などに対する国・自治体の支援策) |
1.被災者にとって大切なのは
今年2004年は、台風や地震で全国各地に大きな被害が生まれました。直後の1〜2週間はみんなで助け合えるにしても住宅が壊れたり被害を受けた被災者にとって、 |
住宅確保の流れ(新潟県のパンフより) |
※注 「未判定」という判定紙はありません。
危険 要注意
※注 「大規模半壊」:阪神淡路の時にはなかった判定基準で、 |
2.問題の住宅再建の支援制度は?
さて、問題の住宅再建のための制度です。1995年阪神・淡路大震災の時は、住宅再建に支援することは「個人財産への支援はダメ」ということで国は支援しませんでした。しかし、その後の被災者たちの粘り強い運動で1998年ようやく「被災者生活再建支援法」がつくられました。 |
住宅再建のための国の支援制度は、次の通りです。 ※ 支給状況(内閣府・03年度末まで PDF資料16K)
1)応急修理制度(災害救助法で市町村が業者に委託して実施) | <被災者の資格> 「半壊」の住宅で、仮設住宅や民間借り上げ住宅に入居しないこと また所得や構成員などの要件あり 2)助成制度(被災者生活再建支援法 最大300万円) 「生活再建支援金」(新築・購入は不可)で最大100万円 「居住安定支援金」(新築・購入の関係経費 04年4月より ※下表参照)で最大200万円 <適用の要件> @災害救助法の適用市町村 A全壊10世帯以上の市町村 B全壊100世帯以上の都道府県 C全壊5世帯以上で@〜Bに隣接する市町村 <被災者の資格> 「半壊」以上の住宅で、所得や構成人員などで要件あり 3)融資制度(建設資金の借り入れ支援) ※ 参考 国の助成(補助)の対象となる経費−「住宅本体」の再建に使えない問題の制度! |
経費の区分 | その内容 | 国が対象とする品目(じつに国は細かい!) |
生活関係経費 | 1.生活に必要な物品などの購入費または被災により故障・破損した物品などの修理費(付属品の購入や設置工事費を含む) 2.日常生活の本拠として使用する住宅への家財の運送費および移転のための交通費 3.住宅を賃借する場合の借家権の設定の対価(礼金) 4.災害により負傷し病気にかかった場合の医療費 5.その他市町村長が必要と認めた物品の購入費または修理費 ※ 新潟県の制度では、国の対象にならない設備の取り替え、造作の補修なども対象に | 1.物品関係 炊飯器 電子レンジ(オーブンレンジ) ガステーブル 冷蔵庫 掃除機 洗濯機 ミシン アイロン 扇風機 たんす ダイニングセット 食器用戸棚(茶たんすも対象) 室内用の照明器具 兄弟 寝具(世帯人数分) 自転車 電話機 テレビ ラジオ(CDプレーヤー類) 2.移送費関係 引っ越し専門業者または運送業者の荷役に対する対価 有料道路の通行量 レンタカー代(燃料費も対象) 運搬に必要な人件費 4.医療費関係 ・医師、歯科医師、あんまマッサージ師、はり師、灸師および柔道整復師による治療および施術の費用 ・上記の診療などを受けるため必要となる通院費、医師などの送迎費、入院入所に係わる部屋代、食事代などで通常必要なもの ・医薬品の購入費(薬事法に基づくもの) ・保健師、看護師および准看護師から受ける療養上の世話を受けるための費用 |
居住関係経費 | 1.住宅を賃貸する場合の家賃 2.住宅の解体、撤去、整地費 3.住宅の建築・補修などに係わる借入金その他の債務に係わる利息および債務保証料など 4.仮設住宅または施設の利用料 5.住宅の改築補修費など 6.その他市町村長が住宅の賃借、補修、建設または購入に必要な諸経費として認めた経費 | 一部周辺事業の経費(解体撤去・整地費)ローンの利子・保証料 建築確認・完了検査など申請料 登記費用 仲介手数料 水道加入分担金 ・解体撤去と整地費用などは支出予定額の70%が対象 ・家賃は、月額2万円を超える部分が対象となり、最大50万円まで対象 ・住宅の建築や補修などに係わる借入金その他債務に係わる利息および債務保証料については、利率から1%を引いて最大2.5%まで対象 |
【 新潟県の場合 】−生活再建支援策と応急修理制度で独自の上乗せ
@ 概略 |
被害程度 | 支援の区分 | 支援額(国) | 支援額(県の上乗せ分) | 支援額(合計) |
全壊 | 生活再建支援 | 最大300万円 | 最大100万円 | 最大400万円 |
大規模半壊 | 生活再建支援 | 最大100万円 | 最大100万円 | 最大360万円 |
応急修理制度 | 最大 60万円 | 最大100万円 | ||
半壊 | 生活再建支援 | なし | 最大 50万円 | 最大160万円 |
応急修理制度 | 最大 60万円 | 最大 50万円 | ||
一部損壊 | なし |
※ 上記の表は、2人以上世帯で世帯収入500万円以下の場合 ※ 新潟の場合、被害住宅の8割が一部損壊だという。雪国の頑丈な住宅構造 によるが、一部損壊を公的支援制度の対象外とする国の制度が問題。 ※ 「応急修理制度」も仮設入居なしが前提。余震による避難勧告が続き、 また豪雪の危険性で自宅に戻れない人はどうすればいいのか? A 被害程度と世帯構成および収入別の支援額(最大額) |
条件 | 支援策 | 世帯区分 | 全壊 | 大規模半壊 | 半壊 |
世帯収入が500万円以下 | 応急修理制度 | 世帯区分なし | − | 160万円 | 110万円 |
生活再建支援 | 2人以上世帯 | 400万円 | 200万円 | 50万円 | |
1人世帯 | 300万円 | 150万円 | 37.5万円 | ||
世帯収入が500万円を超え700万円以下で 「世帯主が45歳以上または要援護世帯」 | 応急修理制度 | 世帯区分なし | − | 160万円 | 110万円 |
生活再建支援 | 2人以上世帯 | 200万円 | 100万円 | 50万円 | |
1人世帯 | 150万円 | 75万円 | 37.5万円 | ||
世帯収入が700万円を超え800万円以下で 「世帯主が60歳以上または要援護世帯」 | 応急修理制度 | 世帯区分なし | − | 160万円 | 110万円 |
生活再建支援 | 2人以上世帯 | 200万円 | 100万円 | 50万円 | |
1人世帯 | 150万円 | 75万円 | 37.5万円 | ||
それ以外 | 応急修理制度 | − | − | − | − |
生活再建支援 | 2人以上世帯 | 100万円 | 50万円 | 50万円 | |
1人世帯 | 75万円 | 37.5万円 | 37.5万円 |
※ 上記のうち「要援護世帯」とは、心神喪失・重度知的障害者、
1級の精神障害者、1〜2級の身体障害者などを含む世帯 |
【 京都府の場合 】−住宅建替・購入・補修で府独自の補助金
京都府は、04年11月補正予算の中に20億円の予算額で、下記の補助金制度を府議会に提案しました。その提案説明には「台風23号により住宅などの被害を受けた府民が、早期に安定した生活を再建することにより、地域社会の崩壊を防止し、地域の活力を取り戻すため」とあります。とてもいいことです。
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