(県は国の出先か? 住民自治のセンターか?)








■ 目     次 ■




    『おはよう新社会党です』各号の2面  


    1.こんなに違うの?震災支援

     <追記1−1> 被災者自立支援金訴訟で上告断念後の知事記者会見に思う

     <追記1−2> 震災時の世帯主に支援金(被災者自立支援金制度の条件緩和)

     <追記1−3> 困窮する人救ってこそ 災害と復興−その視点
                     (片山善博・鳥取県知事 神戸新聞04年2月25日付)


     <追記1−4> こんなにちがう住宅再建の支援策
                     (台風23号、新潟県中越地震などに対する国・自治体の支援策)

     <追記1−5> 台風23号 県防災拠点(但馬空港内)が"孤立" 道寸断、備蓄配れず
                     (神戸新聞04年11月19日付)

     <追記1−6> 孤独死1年8カ月も 家賃滞納明け渡し強制執行時に発見
                     (朝日新聞05年1月14日付)

     <追記1−7> 被災地神戸とアスベスト
                     (被災地の神戸市民は、アスベストにどう汚染されたか?)

     <追記1−8> 被災者生活再建支援法の改正(概要)
                     (半壊・一部損壊は残ったが−07年11月・内閣府)





    2.どうして空港や公共事業ばっかり?

     <追記2−1> 「但馬空港は今後必要ない」=豊岡市・市民調査結果

     <追記2−2> @だんだん面白くなってきた神戸空港問題

             (扇・国交省大臣+野中・自民党元幹事長+太田・大阪府知事
                +井戸・兵庫県知事+矢田・神戸市長=?)



             Aブレる、ブレる扇千景・国土交通相の発言(伊丹空港廃止)


     <追記2−3> 「神戸空港は中止した方がよい」が71%
                   (朝日新聞・世論調査 02年2月13日付)

     <追記2−4> 「県、播磨空港現計画を断念」の記事
                   (神戸新聞・朝刊 02年6月1日付)

     <追記2−5> 「偽装」神戸空港は、格差社会の新たな象徴(06年2月16日)

     <追記2−6> 低空飛行の神戸空港、熊本便、新潟便が廃止に




    3.介護保険で、県の役割ないの?

     <追記3−1> 02年1月から低所得者の利用料減免を拡大(東京都)



    4.県って、「非核神戸方式」に穴あけるの?

     <追記4−1> 有事法制は地方自治の試金石

             ●全国知事アンケート(02年4月22日 朝日新聞)
             ●田中康夫・長野県知事の記者会見(02年4月18日)
             ●井戸敏三・兵庫県知事の記者会見(02年4月22日)
             ●三重県議会の撤回を求める決議 (02年5月17日)
             ●矢田立郎・神戸市長の記者会見 (02年5月20日)

     <追記4−2> 非核・自治つぶし、暴挙も2回目は手慣れたもの(井戸知事)
           ・・・米ミサイルフリゲート艦ヴァンデグリフトの姫路入港を許可(03年11月)

     <追記4−3> 3回目は、非核神戸方式=「千枚取っても自己証明」と誹謗(井戸知事) 
           ・・・米イージス艦・ジョン・Sマッケインの姫路入港を許可(06年8月)



    5.県って、合併屋さん?(「大きいことはいいこと」なの?)

     <追記5−1> 貝原俊民・前兵庫県知事の興味深い発言

     <追記5−2> 小さな町の大きな決議
                「市町村合併をしない宣言」(福島県矢祭町議会)

     <追記5−3> 村のみなさんの、勇気と情熱に敬意
                「小さくても独自の道を」(滋賀県朽木村)



    6.県って、何のための存在 (吉田俊弘の目指す「県の役割」)

     <追記6−1> 田中康夫・長野県知事の失職について井戸県知事の発言
                        (02年7月15日:定例記者会見)

     <追記6−2> 田中康夫・長野県知事の再選について思う
                        (02年9月2日)

     <追記6−3> 仕事確保で、今こそ県の役割を
                        (『おはよう新社会党です』03年1月)

     <追記6−4> やっぱり総務省出身のパフォーマンス! 知事の姿勢・見識?
                   (03年8月25日:区役所で住基カード交付を受けた知事)

     <追記6−5> カード申請やっぱり低調・住基ネット本格稼働1ヵ月
                   (神戸新聞03年9月26日付朝刊)



    7.資料(『おはよう新社会党です』各号の2面)


    <15年1月5日号> 上がるは株価・物価、下がるは賃金・生活!

     <15年2月2日号> 上げよ実質賃金、削るな社会保障費!

     <15年3月2日号> 住民生活守るため今こそ力を発揮せよ県と市

     <15年4月20日号> 民の声を聞き、司法の判断を尊重せよ安倍首相

     <15年5月11日号> あきらめず闘い続けよう!沖縄に学びつつ

     <15年6月1日号> 戦場に送るな!日本の若者を

     <15年7月6日号> 命より大切なものなんてない!戦争法を廃案に

     <15年8月3日号> 被爆・敗戦70年に戦争おっ始めるの?アベ政治

     <15年9月7日号> 誰も殺さない、殺させない!これが国民の総意

     <15年10月5日号> 今度は「1億総活躍社会」? でも、その招待は?

     <15年11月2日号> 戦争法、再稼働、辺野古と独裁アベ政治を許すな!

     <15年12月7日号> 今年もお世話になりました 来年も「アベ政治を許さない」


    <16年1月4日号> 今年こそ、みんなで実現しよう「アベ政治を許さない」

     <16年2月1日号> また暴走し始めた「アベ政治」を許さない!

     <16年3月7日号> 最優先は「人間の尊厳」 改憲やめろ!アベ政治

     <16年3月14日号> 大津地裁の仮処分決定を受けての訂正版

     <16年4月7日号> 戦争ではなく「国民生活」最優先を 改憲やめろ!アベ政治

     <16年5月7日号> みんなで力合わせ、改憲アベ政治を倒そう!

     <16年6月7日号> 戦争と貧困のアベノミクス、もうお断り!

     <16年7月19日号> 許すな改憲策動!戦争と貧困の安倍内閣

     <16年8月1日号> 私たちは決して忘れない!原爆も原発も

     <16年9月5日号> 原発や戦争でなく、いのち・暮らしを守れ!

     <16年10月3日号> 原発や戦争やめよ!いのち・暮らしを守れ!

     <16年11月7日号> 「いのち」を守れ!原発・戦争・沖縄いじめをやめろ

     <16年12月12日号> 粗末にされる「いのち」 お金では買えないのに


    <17年1月10日号> 「政治」をみんなの手に取り戻そう!今年こそ

     <17年2月13日号> トランプより日本の国民の声を聞け!アベ政治

     <16年3月13日号> 格差と貧困、沖縄、原発など、国民の声を聞け!アベ政治

     <17年4月3日号> アベ政治の 長時間労働、原発再稼働、共謀罪を許すな!

     <17年5月1日号> 忖度(そんたく)と暴走、アベ政治を許すな!

     <17年6月5日号> 9条改憲と政治の私物化(忖度)、アベ政治を許さない!

     <17年7月3日号> 9条改憲と政治の私物化、アベ政治をみんなでSTOP!

     <17年8月21日号> 内閣改造しても変わっていない 政治の私物化・隠蔽、9条改憲のアベ政治 STOP!

     <17年9月4日号> やめろ北朝鮮ミサイル! 軍拡と9条改憲のアベ政治 STOP!

     <17年10月2日号> モリカケ隠し 消費増税 9条改憲のアベ政治 STOP!

     <17年10月30日号> モリカケ隠し 消費増税 9条改憲のアベ政治 STOP!

     <17年11月06日号> 10月30日と同じ

     <17年12月04日号> STOP!モリカケ隠し 9条改憲 原発再稼働 沖縄新基地












1.こんなに違うの?震災支援


  鳥取県の知事

    兵庫県の知事

年齢・収入に関係なく
300万円支給

被災者自立支援金
の訴訟で敗北

   

 阪神大震災で被災した市民の生活再建は、基本的には個人の努力にまかせられ個人差や地域差が

生じて、町全体としてはなかなか以前の状態には戻りません。

 震災後に被災者でない男性との結婚で世帯主でなくなり、「世帯主が被災者」という支給要件に

欠けるとして、せっかくの被災者自立支援金を阪神・淡路大震災復興基金(理事長:兵庫県知事、副理事長:神戸市長)から却下されてい

た女性の裁判で、00年4月に神戸地裁は「女性を男性より事実上不利益に取り扱う結果をもたらすなど、合理的理由のない差別を設けるも

の」として支援金を支払うよう被告の基金側へ命ずる判決を出しましたが、復興基金側は、これを不服として控訴していました。

 しかし、02年7月3日に大阪高裁でも「世帯主要件は、公序良俗に反し無効」と同様の判決が出ました。

 そして復興基金は、ようやく上告期限の7月19日になって上告を断念しました


 <追記1−1> 被災者自立支援金訴訟で上告断念後の知事記者会見に思う ←クリック



  一方、阪神淡路大震災より被害規模は小さかったもののマグニチュードは同じレベルの地震が00年10月に あった鳥取県では、地震発生

からわずか11日目(!)に住宅再建のため年齢・所得の制限なしで300万円を独自に支給することを発表。「住宅が再建されなければ町

が消滅する。元の町に住み続けて欲しい」という鳥取県知事の判断によるものです。

 そして鳥取県は、これを一時的な制度ではなく恒久的な制度として01年6月に同趣旨の県条例を全国で初めて議会可決しました。









  被災者自立支援金:

 1998年5月に成立した「被災者生活再建支援法」の付帯決議に基づき、阪神・淡路大震災の被災世帯向けに、兵庫県と神戸市が創設した復興基金を財源として創設された。98年7月1日を基準日として対象の世帯を認定する。住宅が全壊するか、半壊で解体した世帯(主)へ対して、年齢や所得の制限つきで最高120万円を支給。


<追記1−2> 震災時の世帯主に支援金

           (被災者自立支援金制度の条件緩和)
 被災者自立支援金をめぐる控訴審の敗訴が確定したことを受けて阪神・淡路大震災復興基金は02年9月6日に、これまでは制度が始まった98年7月時点で世帯主の被災者としていた支給条件を緩和して、95年1月17日の震災時に世帯主だった被災者にも支給することを決めた。対象は2千人ほど、必要な財源は20億円で、手続きは02年10月1日から03年3月末まで。

  鳥取県の住宅再建支援条例:


 鳥取西部地震を契機にして、地震以外の洪水、豪雪、豪雨、噴火などの自然災害で、原則として県内で10戸以上が全壊した場合に、被災前と同じ市町村内に住宅を再建・購入する被災者に最高300万円(補修の場合は最高で150万円)を支給する。年齢や所得制限なし。
 財源は、県と県内全市町村がそれぞれ年間で各1億円ずつ拠出して25年間で50億円を積み立てるもの。

  震災過疎化を止めた
     鳥取県西部地震の緊急制度の利用実態:


 鳥取県は、建て替え482件、補修10700件と利用を見込んだが、01年3月末現在で申し込みは、建て替え分では見込みの6%、補修分は18%にとどまっていた。しかし、その後申し込みは増加し、01年10月5日現在で、建て替えの申請は391件、補修は見込みを上回る11,733件(毎日新聞01年10月18日付け特集記事)。
 同地震で最も被害の大きかった鳥取県日野町でも「再建支援策のおかげで、都会の子供の家に行こうと考えていた人が思いとどまってくれた。被災を理由に町を出た人はほとんどいない」(生田・日野町長の話:毎日新聞の同記事)。立派に「震災過疎を食い止めた」と言える。

■ 住宅被害の状況(02年10月末現在)
     全壊(394棟) 半壊(2,494棟) 一部損壊(14,134棟)

■ 住宅再建での県費補助(04年3月現在)
     住宅建設(  520件 1,039,727千円)
     住宅補修(11,933件 4,097,827千円)
                    ※ 資料:鳥取県のHPより

 <追記1−3> 困窮する人救ってこそ


 まず現場が重要。そう常日頃言ってきた。だから、鳥取県西部地震が発生したとき、県庁の幹部はまず現場に向かい、状況を把握しようとした。ふつうは部下の報告を幹部が聞くのだろうが、逆に部下が幹部の報告をメモしていた。
 土木的復興は制度があり、極端な話、放っておいても進む。がけ崩れや落ちた橋は直る。一方で被災者は不安だらけ。住宅を元に戻せる制度が何もない。先に震災に遭った神戸市や兵庫県に聞くと「(住宅再建の公的支援は)国にやってはいけないといわれたので、やらなかった」という返事だった。変わってるなぁ、と思いました。
 県独自で再建支援制度を設けた。放っておけば、地域から人が流出してしまう。仮設住宅1戸に400万円かけ、さらに公営住宅建てるよりも効率的なはず。しかし、国から「個人財産に公的資金をだすのは憲法違反」といわれた。「第何条ですか}と反論すると返答がない。阪神・淡路大震災の際、そんな議論がもっとされていれば、状況は変わっていたと思う。
 「鳥取は田舎だからできた」との声もあるが、都市部とは財政規模も違う。被害が少ない分、台所も小さい。問題の本質は別ではないか。
 ある役場の住民相談窓口を担当する女性職員の話を聞き、制度創設を決断できた。彼女は「住宅のことで皆に泣かれる。『頑張って』と励ますことしかできないのがつらい」と涙を流した。
 今、困窮する人に手を差し伸べることが復興。100年の大計と称して、区画整理をするのはどうか。100年後の人のために災害復興をやるのではない。区画整理は平時に合意形成をしてやるべき。住民が打ちひしがれているときに、行政による二次災害になるようなことをすべきでない。空港建設も復興特需というが、工事労働者になれない高齢者には関係ない。
 関東大震災以来、日本の復興は都市計画中心に発想されてきた。一番ダメージを受けた人間を真正面からとらえた復興のあり方を考えて欲しい。現場や当事者に課題がある。霞ヶ関や県庁にあるのではない。

   災害と復興−その視点
    (片山善博・鳥取県知事 2月8日神戸商工会議所でのシンポジ
     ウム「なぜ、今復興論か」の基調講演で)
              神戸新聞04年2月25日付け朝刊

  宮城県住宅再建支援金制度:


・全半壊した持ち家を建て替えた世帯に100万円
・半壊で補修した世帯に最高50万円
・県内全域を対象
・年齢や所得による支給制限なし
・賃貸世帯は対象外
・申請期限は2年間程度
・03年度は14億1400万円を予定(03年9月補正予算)

 浅野史郎・宮城県知事の話
  「100万円では家は建てられないが、被災者に
   勇気を与えられればいいと思う」
     「インタビュー震災検証」
       神戸新聞03年9月25日付け朝刊

 <追記1−5> 

   県防災拠点(但馬空港内)が"孤立"  道寸断、備蓄配れず

   台風23号が兵庫県に再接近した先月20日夜、県の広域防災拠点が置かれる豊岡市の但馬空港へ通じる複数の道路が土砂崩れなどで寸断され、翌日の昼頃まで、浸水被害を受けた同市の市街地から近づけなかったことが18日、分かった。同市内では当時、ほぼ全域に避難指示が出されていたが、同空港から備蓄物資を運び出すことができず、各避難所で毛布が不足する事態に陥ったという。市災害対策本部はこうした事態まで想定できなかったといい、「今後は、小学校や公民館に備蓄を分散したい」としている。
 <広域防災拠点>
 阪神・淡路大震災を教訓に、兵庫県が整備。救助資機材や物資の備蓄▽被災地外から運び込まれる救援物資の集配送▽応援要員の集結・出動−の各機能を備える。既に完成した西播磨(播磨科学公園都市内)と但馬には、毛布1万5千枚、アルファ化米2万食のほか、エンジンカッター、チェーンソーなどを用意する。三木震災記念公園には県内広域防災拠点ネットワークの中核となる施設が備えられる。  (以下、省略)
              神戸新聞04年11月19日付け朝刊

 ●大規模、集中方式がことごとく機能しなかった阪神淡路の教訓が生かされていないのでは?(吉田)

 <追記1−6> 

     孤独死1年8カ月も 家賃滞納明け渡し強制執行時に発見
              (朝日新聞05年1月14日付)








2.どうして空港や公共事業ばっかり?


 阪神・淡路大震災で多くの市民は人生観や生き方を変えました。例えば、震災前は、門構えや立派な屋根の家に憧れていた人も、震災と

その後の生活経験から「住宅は見かけより安全が第一」、「家族みんなが仲良く、一緒に暮らせることがなにより大切」という風に考える

ようになりました。
 しかし、震災であれだけの犠牲者と被害が出ても、余り変わってい

ないのが兵庫県と神戸市の開発優先の行政姿勢。その典型がムダな公共事業、とくに空港建設の推進です。

 県は、海と山の違いこそあれ神戸市の空港建設とまるで同じ発想で姫路市北部の山間部に播磨空港を建設しようとしていました。

 実は、県がこの計画を総合計画に盛り込んだのは1986年ですが、いまだに建設着工のめどが立たず、これまで建設推進だった地元・姫路

市の市議会特別委員会も廃止されました。
 一方、県では震災後に総事業費1億円以上の事業で計画策定から5

年を経過しても未着工の事業などについて見直すため「投資事業評価制度」を始めました。

 しかし、この播磨空港計画は論議の対象にすらなっていません。
播磨空港は、その上位計画であ

る兵庫県の航空政策=「兵庫5空港」(関西新空港、大阪空

港、神戸空港、但馬空港、播磨空港)の中に位置づけられて

いましたが、最近になって住民や周辺自治体の反対意見が強く

とうとう02年には計画撤回の状態に県は追い込まれました。

 ところで、すでに建設されている県の但馬空港(1200メートルの滑走路1本:但馬空港ターミナル会社は資本金約3億円のうち1億円を

県が出資し、毎年この会社へ資金として3億円から4億円を貸し付け)はどうなっているでしょうか?

 前・知事の貝原県政時代に過疎解消の名目で県が独自に建設、94年から供用開始した但馬空港は、今やムダの見本です。

 兵庫県は、年間着陸料収入が300万円程度の空港(32人乗りコミューター機で但馬と大阪間を1日2往復)維持に毎年約4億円を支出。

 また、周辺自治体は、搭乗者を確保するために地元1市18町で各目標数を割り当て、利用者に助成金を出したり、出張には空港利用する

よう進めています。
 県も、わざわざ県土整備部担当課長のHPで空港利用の「カニパッ

クツアー」の宣伝をするなど涙ぐましい努力をしていますが、搭乗率は03年を除けば低空飛行の連続で赤字続きです。



●但馬空港の搭乗率

1999年度

51%

2000年度

47.8%

2001年度

46.2%

2002年度

45.7%

2003年度

52.6%

※ 神戸新聞03年5月20日朝刊および
 同   04年4月15日朝刊より




●豊岡市の市民助成後の運賃(片道)

下記の運賃は、「航空保険特別料金300円」が含まれています。

但馬空港と大阪空港の間

大人 4,300円(通常10,300円)
小児 2,300円(通常 5,300円)

但馬空港と羽田空港の間

大人 16,650円(通常19,150円)




 ところで、神戸空港反対・住民投票運動の時に当時の貝原知事から「よその人が旗を振っている」と言われながらも、神戸市民の先頭に

立って頑張ってくれたのが田中康夫氏(当時は作家)。
 同氏は、長野県知事になってから「脱ダム宣言」の具体化として長

野県の01年度当初予算で一般公共事業を424億円余り削減、逆に福祉関係の予算を8割増やし、とくに福祉施設への県費補助は2倍以上増

加させました。どちらが、県民のためになるか明白です。


<追記2−1> 「但馬空港は今後必要ない」=豊岡市・市民調査結果 ←クリック


<追記2−2> だんだん面白くなってきた神戸空港問題 ←クリック
     (扇・国交省大臣+野中・自民党元幹事長+太田・大阪府知事
       +井戸・兵庫県知事+矢田・神戸市長=?)


<追記2−3> 「神戸空港は中止した方がよい」が71% ←クリック
                  (朝日新聞・世論調査 02年2月13日付)


<追記2−4> 「県、播磨空港現計画を断念」の記事 ←クリック
                  (神戸新聞・朝刊 02年6月1日付)


<追記2−5> 「偽装」神戸空港は、格差社会の新たな象徴(06年2月16日) ←クリック


<追記2−6> 低空飛行の神戸空港、熊本便、新潟便が廃止に ←クリック







3.介護保険で、県の役割ないの?


 神戸市の介護保険は、厚生省の高い評価にもかかわらず、住民や良心的な事業者・研究者の間ではワースト・モデルの代表と言えます。

 保険料は兵庫県下で一番高く、介護認定調査やサービス提供も、そしてサービス内容の評価までも民間任せの「丸投げ方式」。和歌山県

のケアマネ事件は、決して余所の出来事ではありません。  
 また、1割の利用料が払えなくて、サービスを自己規制する高齢者

も多くいます。そのためか、神戸市の在宅サービスの利用率(支給限度額に対する給付実績の割合、00年11月利用分)は4割を切っている

のに、市の担当者は「いざという時のための"お守り"感覚で認定を受けておこうというケースが目立つ」(森田文明・神戸市介護保険課

長 01年3月26日 東京読売新聞)と、平気で発言する始末です。


■ 県下の基準額ランク(平成12年度から14年度まで:6位まで:月額)
<市町全体>

自治体

介護保険の保険料(円)

@神戸市

3,137

A川西市
 家島町
 東浦町

3,000

D尼崎市

2,982

E姫路市

2,942

県下最低(篠山市)

2,665

全国平均

2,911

            サービスが県下一番ならいいのだけど
                   【資料出所:兵庫県介護保険課】


■ 県下の基準額ランク(平成15年度から17年度まで:6位まで:月額)
<市の部>

自治体

介護保険の保険料(円)

@加古川市

3,900

A尼崎市

3,555

B姫路市

3,470

C三木市

3,460

D伊丹市

3,450

E神戸市

3,445

市の部最低(相生市)
     (豊岡市)
     (龍野市)
     (赤穂市)

2,900

市町総平均

3,310

全国平均

3,293

            ランクは下がったけれど・・・
                   【資料出所:兵庫県介護保険課】


■ 県下の基準額ランク(平成15年度から17年度まで:6位まで:月額)
<町の部>

自治体

介護保険の保険料(円)

@稲美町
 関宮町

4,000

B八鹿町

3,900

C安富町
   宍粟郡一宮町

3,800

E黒田庄町

3,700

町の部最低(温泉町)

2,042

市町総平均

3,310

全国平均

3,293

            ずいぶん金額の格差が生まれて・・・
                   【資料出所:兵庫県介護保険課】


 介護保険事業者や施設の指定は県の仕事です。国からいわれている指定基準の仕事だけでなく、その内容(サービスなど)についても、

介護市場や事業者・施設の自己評価などに任せきりにするのではなく、もっと積極的に市町と連携をとりながら役割を果たすべきです。

<追記3−1> 02年1月から低所得者の利用料減免を拡大(東京都) ←クリック






4.県って、「非核神戸方式」に穴あけるの?

 神戸市民が1975年以来堅持してきた「非核神戸方式」が、兵庫県によって重大な影響を受けそうです。

 とくに、1975以降は県内の民間港へ米艦船の入港はなかったのですが、それを破る形で01年8月28日に姫路港(港湾管理者:兵庫県)に

入港した米海軍のミサイル巡洋艦ビンセンス(正確にはヴィンセンス Vicennes)の問題をめぐり、井戸敏三県知事の発言と県当局

の対応が問題です。
 2001年夏、その経過をみると



8月2日

米国側から「ビンセンス」姫路入港の打診

8月9日

米国側が、姫路海上保安署を通じて県に入港を正式通知

8月10日

県が井戸敏三知事名で「非核証明書」提出を文書で要求

8月20日

在日米海軍司令部が5艦船の親善訪問を発表

外務省から日米安保条約に基づく事前協議がなかった旨、県へ回答

8月21日

FAXで井戸知事あてロバート・ルーダン米国総領事名の回答(※注)

8月22日

県が入港受け入れを決定(知事の記者会見)

8月23日

非核証明について米国側から正式回答(総領事の回答と同じ)

8月24日

入出港届、係留許可申請が提出され、係留を許可

8月28日

抗議行動の中、ビンセンスが姫路港に入港

8月31日

ビンセンスが姫路港を出港



※ 総領事のFAX回答とは:

「我が国の一般的方針は、海上艦船 、攻撃型潜水艦、海軍航空機に関しては、核を装備しない。しかし、個々の艦船、潜水艦、航空機に関しては、核を搭載しているか否かの議論は行わない
 県は、下線部分の削除を求めたが、そのままだった。



 私たちの「非核神戸方式」と米国、そして日本政府との関係は、スタートの1975年以来かなり根の深い攻防が続いています。

 その中で、かねてから神戸の「非核神戸方式」が気に入らないロバート・ルーダン在大阪・神戸米国総領事は、00年10月6日の記者会見

において、「日米の安全保障上、米国艦船の神戸港入港は非常に重要で、期待するのも自然なこと。具体的な予定はないが、希望は持って

いる」、また「防衛関係の権限は中央政府にある」と、「非核神戸方式」解体に向けて強い意欲を示していました。

 実は、同総領事のこの会見が行われた場所が、その時大阪港に入港していた巡洋艦ビンセンスの艦上でした。



「非核神戸方式」とは

 条例ではなく、1975年3月に神戸市議会で採択された「核兵器積載艦艇の神戸港入港に関する決議」を根拠に、市当局が港湾施設条例に基づいて神戸に入港する艦船に「非核証明書」を提出させるというやり方で1975年以来行われてきました。この間、非核証明書を提出しないで入港した艦船は、カナダの「プロテクター」(補給艦)の1隻のみです。


核兵器積載艦艇の神戸港入港に関する決議

 神戸港は、その入港船舶数及び取扱貨物量からみても世界の代表的な国際商業貿易港である。利用するものにとっては使いやすい港、働く人にとっては働きやすい港として発展しつつある神戸港は、同時に市民に親しまれる平和な港でなければならない。
 この港に核兵器が持ち込まれることがあるとすれば、港湾機能の阻害はもとより、市民の不安と混乱は想像に難くないものがある。
 よって神戸市会は核兵器を搭載した艦艇の神戸港入港を一切拒否するものである。
 以上、決議する。

1975年3月18日
 神戸市会



 その意味で考えると、今度のビンセンスによる姫路港入港も、「非核神戸

方式」解体のための相当に念が入った示威行動で、まさに「米国は周到にタ

イミングを見計らっていた」(芹田健太郎教授・神戸大学大学院 神戸新聞01年8月23日朝刊)のです。

    抗議の中、姫路入港のビンセンス(写真:新社会ひょうごHPから)



  ビンセンスとは

● Vicennes 米第7艦隊所属のイージス艦(9,100t:排水トン)で横須賀基地が母港。対空、対潜、対水上戦闘用の兵器を指揮統制。12以上の目標をミサイルで別々に攻撃するイージス・システムを搭載。全長172.8m 全幅16.8m 乗員450名
● 88年7月にはペルシャ湾上空のイラン航空旅客機をイラン空軍戦闘機と誤認してミサイルで撃墜し、乗員乗客290人が死亡。
 00年10月には大阪港に入港したが、同月の小樽市では入港を拒否された。





 支離滅裂で官僚答弁の知事
     (01年8月22日の記者会見、その後の新聞記事から作成)

論点

知事の発言

私のコメント

核搭載の有無

@米政府の一般方針で艦船は核を搭載していないとの回答 A日米安保条約に基づく義務の尊重 B事前協議がないとの外務省の回答、という三段論法でおのずと結論が見える。

1.問題は米政府の「一般方針」ではなく、入港してくる「個々の艦船の核搭載の有無」がポイント。米国側のFAX回答にあるように「個々の艦船などについては議論を行わない」のであれば、県民の立場の知事なら、ビンセンス入港を拒否すべき。

2.知事の三段論法で核搭載の有無が最初から「見える」のなら、なぜ、あえて非核証明書を米国側に県は要求したのか?論理矛盾で支離滅裂だ。

3.悪しき前例として、兵庫県政に汚点を残すことになる。

非核証明がないと県は入港拒否か

文言がないから(有無が)分からないと考えるべきではない、この回答で十分。

今後の米艦入港への対応

今回を前例とし対応する。

非核神戸方式への評価

港湾管理者それぞれの判断だ。(知事は直接のコメントを避けた)
この件に関しては官僚的と言われても構わない、国の外交政策だから。非核神戸方式を採っている神戸市だって今回の県と違う対応がとれるのか(県幹部)

知事は実に官僚答弁、県幹部はヤケクソと開き直り。

そして公然と「非核神戸方式」の外堀を埋める役割を知事は果たした。






写真は、ビンセンス入港抗議集会へ参加の灘区のメンバー(一部)
  ※写真提供:井上みち子さん




<追記4−1> 有事法制は地方自治の試金石

          ●全国知事アンケート(02年4月22日朝日新聞)   ←クリック
          ●田中康夫・長野県知事の記者会見(02年4月18日) ←クリック
          ●井戸敏三・兵庫県知事の記者会見(02年4月22日) ←クリック
          ●三重県議会の撤回を求める決議 (02年5月17日) ←クリック
          ●矢田立郎・神戸市長の記者会見 (02年5月20日) ←クリック




<追記4−2> 非核・自治つぶし、暴挙も2回目は手慣れたもの(井戸知事) ←クリック
           ・・・米ミサイルフリゲート艦ヴァンデグリフトの姫路入港を許可(03年11月)




<追記4−3> 3回目は、非核神戸方式=「千枚取っても自己証明」と誹謗(井戸知事) ←クリック
           ・・・イージス艦ジョン・S・マッケイン姫路入港(06年8月24日)を許可








5.県って、合併屋さん?(「大きいことはいいこと」なの?)

 全国で市町村の合併ばやり。政府は補助金などの誘導施策と「22カ月でできる市町村合併」(自治体はインスタントラーメンか?)と手

引き書を配り、合併を猛烈に促進しています。現在、全国3000余りある自治体を当面3分の1に、最終的には10分の1程度にすると言われ

ます。
 兵庫県も政府の要請を受けて市町合併の指針を作り、さらに具体化

のための組織として「市町経営のあり方検討支援会議」(会長:藤本和弘・副知事)を設置しました。それを見ると、具体的に県下の自治

体の名前を挙げて、組み合わせの例が示されています。



ブロック名

該当する自治体

東播磨

加美町、八千代町

西播磨

神崎町、大河内町、御津町、佐用町、上月町、南光町、三日月町、一宮町、波賀町、
千種町

但馬

城崎町、竹野町、但東町、村岡町、浜坂町、美方町、温泉町、八鹿町、養父町、大屋町、関宮町、生野町、山東町、朝来町

丹波

青垣町, 春日町、市島町

淡路

淡路町、北淡町、一宮町、五色町


     【資料出所:「今後の市町経営のあり方に関する検討指針」
                        01年1月兵庫県企画調整局】


 たしかに、自治体の規模は小さければ小さいほど良い訳ではありません。私もそうは思います。

 しかし、その逆に「大きければ大きいほど本当に良い」のでしょうか?

巨大都市・神戸に住む市民の生活感はそうではありません。

 大きい街で神戸市民は本当に幸せ?
    写真提供:中島良夫さん


 たとえば、阪神大震災の前も後も行政の対応が市民の顔を見ないまま行われてきました。その代表が神戸空港建設をめぐる行政と市民の

間の深い溝です。また、震災後の仮設住宅や復興住宅でも孤独死が神戸に多いことなどは、「都市としての適正な規模を神戸は超過してい

る」「行政の手なんて届かないもの」、「行政は、市民の顔を知らないでも平気」という市民の実感を裏付けます。

<淡路の五色町の場合>

 事例として紹介するには、神戸とは人口規模が違いすぎますが、淡路島の五色町の場合です。

 あの阪神・淡路大震災で「町の高齢者の救出は、地震当日の午後3時には終了した」という話を五色町の担当者の方から聞いた時、私は

正直言ってショックを受けました。神戸でそんなことは絶対考えられなかったからです。

 五色町では町役場の看護婦、保健婦などが普段の仕事で高齢者の一人ひとりの生活状況をよく知っていて、地震の時も「誰々さんとこの

おばあちゃんは、家のあの部屋で寝ているはずだから、そこを掘って助けてあげて」と救出が素早かったのです。何日も住宅の下敷きにな

っていて、どこに寝ていたなんか誰も知らず、結局救出が遅れた神戸の高齢者とは天国と地獄ほどの違いです。

 政府は市町村合併を、「人口規模が70万ぐらいでも政令都市に」というオマケまでつけ推進しようとしています。

これで本当に良いのでしょうか?
 私は、もはや神戸市のような巨大都市は、住民自治の原点に返って

人口30万人前後を目安として3〜4の中規模の自治体として分割する、合併よりは分割の方が、むしろ住民のためになると思います。


 自治体の規模を「経営」という効率の観点からではなく、そこの住民の生活実感(それが住民自治というもの)を大事にして考えて

いくべきです。「自治体の規模は、適当に小さく、県の援助はもっと大きく」を目標にすべきです。


<追記5−1> 貝原俊民・前兵庫県知事の興味深い発言 ←クリック


<追記5−2> 小さな町の大きな決議 ←クリック
         「市町村合併をしない宣言」(福島県矢祭町議会)


<追記5−3> 「小さくても独自の道を」 ←クリック
         (滋賀県朽木村 毎日新聞)






6.県って、何のための存在 (吉田俊弘の目指す「県の役割」)

 県は、国の出先ではありません。全国の都道府県の中からは、長野県(田中康夫知事)の「脱ダム宣言」や鳥取県(片山善博知事)の震

災住宅再建支援
のように国の制度にないものでも、県民のため必要と思えば知事の判断で実現する自治体が出てきました。

 これまで「中2階」の存在と言われ、実態的にも国の出先・国の機関のように機能してきた県を、今や県民や市町村のため「住民自治の

センター」として再生すべき時期が来ています。


<追記6−1> 田中康夫・長野県知事の失職について井戸県知事の発言 ←クリック
                  (02年7月15日:定例記者会見)


<追記6−2> 田中康夫・長野県知事の再選について思う ←クリック
                  (02年9月2日)


<追記6−3> 仕事確保で、今こそ県の役割を ←クリック
                  (『おはよう新社会党です』03年1月)