<追記4−2> 非核・自治つぶし、暴挙も2回目は手慣れたもの(井戸知事)

             ・・・米ミサイルフリゲート艦ヴァンデグリフトの姫路入港を許可(03年11月)




 2年ぶりの暴挙、しかし知事は淡々と 

 2003年11月28日、アメリカのミサイルフリゲート艦ヴァンデグリフト(4,100トン)が抗議の中、兵庫県の姫路へ入港しました。兵庫県・井戸知事の手によってふたたび「非核神戸方式」に風穴が開けられ、地方自治を自ら否定する行政判断が行われたのです。前回の米ミサイル巡洋艦ビンセンスの姫路入港以来、2年ぶりの暴挙です。
 暴挙も2回目ともなれば手慣れたもの! 当選直後の前回とは違い知事はまるで簡易な事務処理を行うように、前回同様「非核証明」が提出されないまま、そして前回に比べ実に淡々とヴァンデグリフト姫路入港の手続きを進めました。
 そして2回目なので、よほど自信がついたのか、兵庫県は一連の経過とその時点でポイントの文書をHPで公開しました。(公開自体は良いことです)


 2年前とは世界が一変、戦争のど真ん中 ・・・今思えば、ビンセンス姫路入港は悪事の前兆だった
 2年前のビンセンス姫路入港(01年8月28日)は今から思えば悪事の前兆でした。同号の入港直後、アメリカで9・11同時多発テロ、そして同年秋のアフガニスタン戦争、今年春のイラク戦争などを考えれば、2年前とは世界が一変、アメリカの軍事的グローバリズムで各地で戦争の炎が燃えさかり、いわば日本はそのど真ん中にいます。
 アメリカに言われるままイラクに自衛隊派遣をする日本政府に対して、テロの予告がされています。そんな中で県民の平和や安全を無視し自治を否定した知事の判断は、有事法の国民保護法制(よくまぁーこんな羊頭狗肉の名前を!)を先取りしたもので、兵庫県政の汚点として後世の歴史に名を残すことでしょう。


 2年前と同じような手続きをたどって    ※注:下線は吉田がつけました
  ■兵庫県知事から米国総領事あて照会(03年11月10日付け:部分)
「・・・我が国は非核三原則を堅持しているところであり、県民の平和と安全を守る立場から、今回の入港に際し、非核三原則に係る同艦船(注:ヴァンデグリフト)の状況につきまして、ご回答くださるようお願い申し上げます」


  ■総領事からの知事あて回答(03年11月25日付け:添付文書全文)
海上艦船、攻撃型潜水艦、海軍航空機には核兵器を搭載しないというのが、米国政府の一般方針です。しかしながら、米国が全世界的に適用している方針として、米国軍隊の基地・艦船・車両・航空機を含め、一般的な、あるいは特定の場所における核兵器の有無について、これを肯定も否定もしないこととしております。
 我々は核兵器に対して日本国民が抱かれる特別な感情を理解しております。
 我々は、日米相互協力及び安全保障条約とそれに伴う諸協定を忠実に履行してきましたし、引き続きそのようにする所存です。」


               

  ■知事のコメント(03年11月26日付け:部分)
「・・・核搭載の有無を米国総領事に対して照会していたところ、海上艦船に核を装備しないという米国の一般方針、および日米安全保障条約に基づく義務を忠実に尊重しているとの回答があった。また外務省からは事前協議がなかったとの回答を得ました。
 このことから、兵庫県としては適切な確認を行ったものであり、今後、所要の手続きが進められることを承知します。」


               


  ■知事・記者会見のポイント(03年11月26日付け)
@ アメリカ政府としての一般方針として核兵器を搭載せず
A 個別の問題には否定も肯定もしないという米国政府の方針
B 安保条約は誠実に履行してきた
C 核兵器に対する日本国民の特別な感情をアメリカは理解している
D 外務省には核兵器持ち込みの事前協議がされていない
E 非核神戸方式は神戸市のこと。(その制度がゆえに)県として文書回答を求める今回の対応をしたわけではない
F 2年前とは国際情勢の緊迫の度合いが違うのは事実。

 しかし、よほど事前に懸念情報がある中での入港であれば別だ
が、従前と緊迫感の相違があるだけで、港湾管理者としてはそれ以上の対応は難しい

   ※ この問題で打った井上力市議のメールに、県から返事があったそうです。
        詳しくは、井上力さんのHP「きょうの井上力」コーナーへ



 でも、よい子は知ってる歴史的事実  ・・・井戸知事は知らんぷりだけど 

非核三原則
(1967年12月衆議院予算委での佐藤首相の答弁「持たず、作らず、持ち込ませず」)



ラロック証言
(1974年9月米議会「核兵器積載能力のある艦船はすべて核兵器を積載、日本などに寄港する場合も核抜きにはしない」 これで非核三原則の破綻・空洞化が明白に)



非核神戸方式
(だから! 1975年に自治体版の非核三原則が神戸に始まる)



ビンセンス姫路入港
(2001年8月28日)



9・11同時多発テロ、アフガン戦争、イラク戦争そしてヴァンデグリフト姫路入港
(2001年秋から03年の今日まで米国の軍事的グローバリズムで世界中が戦争状態に)