こんな本、あんな本
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■著者:中條均紀(なかじょう まさのり) ■発行所:小学館 ■発行日:2005年2月10日 ■2000円+税 | ●「山古志村」なんて新潟地震までは知りませんでした。 でも、その後いったい何回テレビで山古志村のことを見聞きしたか? しかも、ほとんどが倒壊したり崩壊した村の恐ろしい様子でした。 ●山古志村を撮り続けているアマ写真家・中條均紀さん(食品会社勤務)のこの写真集をみると、本当に豊かな自然と村の人達のおだやかな生活があったことがわかり、いまの状態と考え併せると涙が出ます。 ●本の末尾にこんな言葉がありました。 「私たちは必ず山古志の地に帰ります。 おだやかであたたかな日本人の心のふるさと山古志を、何年かかろうと必ず復興します。森と、畑と、家があれば生きていける。厳しい自然とともに生きてきた山古志の人間は辛抱強いのです。」 (山古志村長 長島忠美) |
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■著者:長倉洋海(ながくら ひろみ) ■発行所:福音館書店 ■発行日:2004年11月30日 ■2800円+税 | ●NHKの「課外授業・ようこそ先輩 世界に広がれ!笑顔の力」を見てこの写真集を買いました。 著者の故郷・釧路の母校で小学生達に街の人の笑顔の写真を撮らせ、大きなボードに多くの笑顔を街に展示する授業がとても印象的でした。 ●不思議なパワーを持った本です。日本では珍しくなった霜焼けや鼻水を出した子供達の笑顔がいっぱい。そして、見ている方がいつの間にか微笑んでいます。 ●写真の舞台となっているのは戦争や困窮した国が多いのに、微笑んでいる子供達のその瞳は輝きに満ちています。元気をもらいました。 |
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■著者:森永卓郎(もりなが たくろう) ■発行所:徳間書店 ■発行日:2004年12月31日 ■1400円+税 | ●昭和32年生まれの森永さん、育った昭和30年代への強い思い入れがこの本を書く動機。だから本の副題も「『昭和30年代』に学ぶしあわせ術」です。 ●この本に紹介されている大分県豊後高田市の「昭和の町」(駅前商店街の復活名)には、ぜひ行ってみたい! ●全国一の完全失業率の沖縄県に、ここ10年間は他県からの流入者が毎年25,000人という。 ●「田舎暮らし」は、昔は金持ちの、現代は「ビンボー人のシンボル」だそうな。 タイトル「所得半減」は、あくせく働くのを止め、その分「しあわせ」づくりをしようと。 でも、「わかっちゃいるけど、止められない」、ネェご同輩! |
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■著者:大津和夫(おおつ かずお) ■発行所:日本評論社 ■発行日:2005年1月20日 ■1600円+税 | ●新聞記者の傍ら、03〜04年の1年間アメリカ留学して学んだアメリカの医療と介護。そしてこの本の結論はタイトルに示されています。 ●お金次第で手術も介護も決まるアメリカ。日本はまだマシ? でも、このアメリカをモデルの1つにしているのが日本政府。 ●高齢者人口より多い無保険者(4000万人以上、人口比15%)。「先進国で皆保険制度がないのは・・・自己責任の考え方が強いからだ」そうな。恐ろしい話ですが、ぜひご一読を! |
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■著者:田中成之(たなか しげゆき) ■発行所:岩波書店 ■発行日:2004年11月25日 ■1800円+税 | ●片山知事が登場するまで、私の故郷・鳥取の行政官が全国レベルの話題になることは皆無? ところが、今や全国の中でも気になる知事の一人に! ●インパクトは、やはり鳥取県西部地震で独自に300万円の住宅支援を打ち出したこと、しかも震災からたった11日目。神戸の被災者にとっては大変なショックでした。 ●片山知事の「流儀」をこんな風に特徴づけています。東京都・石原知事や長野県・田中知事と違い、片山知事の場合は「凡人でも身につけられる」<改革>の技術であり、他の地方にも広げてることが可能なモデルとして。 ●ことの正否は別にして、刺激を受けること間違いなし。ただ片山知事の評価が多少甘いのを別にすれば。 |
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■著者:佐藤俊樹(さとう としき) ■発行所:岩波書店(新書版) ■発行日:2005年2月18日 ■740円+税 | ●今年も、花見の季節がやって来て春の到来を確認します。 ところが、わずか1週間ぐらいの間に、まるで熱に浮かされたように日本人が花見をするようになったのは明治以降らしい。 ●それまでは、いろいろな桜の種類があって、今日のように揃って咲き・散りはしなかった。近代日本の行政権力と共にソメイヨシノが席巻した結果なのだと。その意味で「ソメイヨシノ革命」と著者は言う。 ●桜に罪はないけれど、「潔さ」など日本人の型枠はめが行われた話など、とても興味深い本です。 |
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■著者:高木 徹(たかぎ とおる) ■発行所:文藝春秋 ■発行日:2005年4月25日(第2刷) ■1571円+税 | ●アフガニスタン戦争まで、同国のことも、ましてバーミアン遺跡のことも何も知りませんでした。 当時、メディアがなにか遺跡のことで大騒ぎしていると思ったのが01年3月、半年後に起きるのが9・11。 ●この本のテーマは、国境なきイスラム原理主義(ビンラディン)対アフガン民族派(タリバン)のオマル師獲得のせめぎ合い。 寄生体ビンラディンは宿主オマルを捕食していく。そのなかで起きた大仏破壊は、9・11の前奏曲だそうです。 ●ビンラディンの影響が強まった「勧善懲悪省」の蛮行、日本でいえば太平洋戦争中の「鬼畜米英」的な思想・文化取り締まり・破壊のひとつが大仏破壊です。 |
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■編者:神戸外国人居留地研究会 ■発行所:神戸新聞総合出版センター ■発行日:2005年4月28日 ■1500円+税 | ●今年で40年になる神戸での暮らし。いろんな所に居留地の名残があり、神戸という街を解明する一つの要素。 ●神戸には「伝統」や「文化」がないとも言われます。もともと明治になってからの街であり、同じ関西でも京都みたいな訳にはいきません。 ●神戸ゆかりの外国人ラフカディオ・ハーンが、日本に帰化して小泉八雲となったのは神戸での新聞記者時代。 ●中国の民主運動家・孫文が、日本は「欧米の覇道文化」と「アジアの王道文化の本質をも」持っている。今後、「覇道」でいくのか「王道」でいくのかと、警鐘を鳴らしたのが神戸第一高女講堂での演説(1924年)。 ●この本の「エピローグ」に苦言を少し。 「大震災は、性急で上滑りな近代主義終焉の警鐘でもあった」としながら、そのすぐ後に「知の居留地」と称する現神戸市施策(医療産業都市構想や経済特区構想)を持ち上げている。この章の担当者は、先頃まで市の幹部でありやむを得ないのかも知れない。 だが、「居留地」の負の側面、とくに治外法権の「居留地」制度を廃止するため昔の神戸が苦労した歴史(この本の他の章に)を思うなら、少し「上滑り」なのでは・・・。サブの「多文化共生都市」が「他文化強制都市」と市民には聞こえる。 |
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■編者:澤野義一(さわのよしかず)他 ■発行所:法律文化社 ■発行日:2005年4月25日 ■1800円+税 | ●この本の代表編者の澤野先生は、私たちの「憲法を生かす会・灘」が今年4月から開催中の憲法学習会の講師としてお願いしています。 そのご縁で、この本も澤野先生から贈呈していただきました。 ●また、執筆者のお一人、木幡(こわた)洋子先生はHPのご縁でリンクをさせていただき、これまたこの本を贈呈いただきました。 ●そんな訳で、余計にしっかりと本を読まなければなりらないプレッシャーが! でも、ぼちぼちと読んでいます。 |
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■著者:吉村 昭(よしむら あきら) ■発行所:新潮社 ■発行日:2005年6月1日 ■上下とも514円+税 | ●いわゆる「漂流物」は、以前にこのHPで同じ著者の『アメリカ彦蔵』を紹介しています。今回の主人公はロシアに漂流した有名な大黒屋光太夫。 他の人の大黒屋光太夫を何冊か読んでいますが、新資料もあって吉村昭さんが一番。 ●難破・漂流・抑留のロシア漂流者たちを待ち構える落とし穴は、寒さ、女性、宗教入信。 実に多くの仲間が次々に死んだり、悩みから入信したりで帰国できなくなります。それを乗り越えて10年ぶりに帰国できた大黒屋光太夫。人間らしい苦悩と喜びが生き生きと描かれています。 |
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■著者:ミシェル・カン 訳者:平岡 敦 ■発行所:扶桑社 ■発行日:2004年9月20日 ■1200円+税 | ●教科書問題ではなにかと物議の扶桑社ですが、こんな本も出していたんですね。 今年の本ではありませんが、知人のHさんに教えられ買いました。 小さな作品ですが、フランスで昨年ベストセラーになり、スピルバーグも再映画化権を獲得したとか。 ●嫌がる息子をしりめに、なにかと人前でピエロを演じる教師の父。 やがて息子に明かされる父親の行動の理由には、ドイツ軍占領下のフランスで戦争と人間にまつわる体験がありました。 あとは読んでのお楽しみ! |
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■著者:広瀬弘忠 ■発行所:新曜社 ■発行日:2005年7月27日(第3刷) ■1800円+税 | ●第1刷は、なんと20年前の1985年です。有名になった「静かな時限爆弾」の命名者であり、早くから警鐘を鳴らしていた人です。遅ればせながら最近になって購入しました。 ●お酒の製造で使われるフィルター、ドライヤーなど家庭用品にも使われていたアスベスト。しかし、早くから日本政府の担当者は外国のデータで危険性を承知し、その意味では、今回のアスベスト災禍は、刑法でいう「未必の故意」です。 ●関係企業の労働者・家族、周辺住民だけでなく、私や井上力・市会議員は、震災から10年経過した神戸で、被災地のアスベスト汚染を心配しています。 |
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■著者:三沢浩 ■発行所:鹿島出版界 ■発行日:1998年9月30日 ■3500円+税 | ●新刊ではありません。契機は、今年8月の内橋克人さんの講演会(主催:神戸空襲を記録する会)でA・レーモンドのことを聞いたからでした。 ●チェコ生まれで、戦前の日本に在住して多くの作品を建築したレーモンド。開戦前にアメリカに戻り、空襲用の焼夷弾開発に協力。 日本住宅に精通していた彼は、アメリカで日本の長屋住宅を建築、室内の「ちゃぶ台」に至るまで精密に再現して実験用に提供したという。「戦争を早く、効率的に終了させるため」というのが協力の理由でした。 戦後また来日して無差別爆撃の現実を見た時、どんな思いがしたのでしょう。 ●ちなみにレーモンドは、帝国ホテルを建築したライトの「弟子」にあたるそうですが、建築そのものは素人の私には手に余ります。 |
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■作:きむらゆういち 絵:あべ弘士 ■発行所:講談社 ■発行日:2003年9月24日(第12刷) ■大型版(6巻+特別編)各1400円+税 | ●私は知りませんでしたが、ベストセラー絵本のひとつだそうです。 実は、子供の絵本から遠ざかって久しく、最近、映画の宣伝でこの本を知り、当初は孫のためにと購入しました。 ●嵐の夜に、暗闇の小屋の中で出会ったメイ(羊)とガブ(狼)とが友だちに。 「ともだちだけど、おいしそう」というガブの思い、そして2匹の友情はどうなっていくのでしょうか? 大人が読んでもワクワク、泣けます。子供の絵本で泣いたのは以前読んだ『100万回生きた猫』以来・・・ ●12月公開予定の映画も、ぜひ見てみたいものです! |